NILS(日本語学校)様より、Windows7移行にともなうネットワーク構築作業の依頼を受注いたしました。
多くの優秀な学生を輩出しています。
今回の依頼事項(要件事項)は、下記の通りでした。
- NASにアクセスできるのは社員PCのみ
- 複合機(プリンタ)にアクセスできるのは社員PCと非常勤PC
- インターネットにはすべてのPC(社員、非常勤、学生)
- 複合機は無線でネットワークに参加
- 学生PCのOSはLinux(LinuxMint17)
学生PCのOSが、Linuxであるのは、原則、インターネットしか使わないとのことで、WindowsXPを使い続けるより、はるかに安全で安心なネット環境が構築できるからです。LinuxMint17の場合、サポートは2019年まで続きます。
ここでは、セキュリティ上、詳しくNILS様のネットワーク環境を述べることはできないので、構築のポイントだけをご紹介させていただきます。
1.無線環境を2つのSSIDで区別→マルチAP
「社員PCと非常勤PC」のネットワークと「学生PC」のネットワークを分けました。
その時に利用したのが、マルチAPという機能です。無線BBルータ(今回は、アクセスポイント)がもつ機能です。
2種類のSSIDを利用して、一つのSSIDに接続すると、ローカルネットワークとインターネットへのアクセスが可能となり、もうひとつのSSIDに接続するとインターネットのみにアクセスができるようになっています。
NASには、社員のみがアクセスできるようにアクセス権を設定しています。
2.複合機の無線環境は、メディアコンバータを活用
最初は、USB接続の無線プリントサーバを使って複合機(パラレルポート、USBポート)を無線化しようとしましたが、失敗しました。
複合機は、SHARP AR267FG、無線プリントサーバは、LPV3-U2-G54です。PCからLPV3-U2-G54へはアクセスできますが、LPV3-U2-G54からUSB経由でAR267FGに接続できません。LPV3-U2-G54の管理画面で、オフラインと表示されています。
AR267FGのUSBポートとの接続がうまくいっていないと仮定して、パラレルポートへの接続を試みることにしました。つまり、パラレル・USB変換アダプタを利用しました。今度はちゃんとオンラインと表示されています。
しかし、LPV3-U2-G54の管理画面からテスト印刷ができません。どうもUSB接続の無線プリントサーバはAR267FGには対応していないと判断しました。(あとで、わかったのですが、AR267FGの無線プリントサーバはここにあるものだけのようです。生産終了でした。)
次に試したのが、メディアコンバータによる無線化です。
下図の通り、有線プリントサーバをLANケーブルでメディアコンバータに接続し、そこから無線でアクセスポイントへ接続しました。今度は、ちゃんと印刷されました。複合機の無線化完了です。
3.LinuxMint17で2019年まで安心サポート
LinuxMint17 cinnamon を学生PCにインストールしました。LTS版なので、2019年までサポートが続きます。つまり、旧XPパソコンが現役で2019年まで活躍できるのです。(もちろん、故障しないことが前提ですが。)
Linuxでは実質的に不要ですが、ウィルス対策ソフト(Clamav)を導入しています。
感染源にはならないように、念には念をです。
※NILS様へ。
当社(志義どっとPC)のネットワーク構築を導入していただき、誠にありがとうございました。これからも快適で安心・安全なネットワーク・システムをご利用いただけるように日々努力して参ります。よろしくお願いします。