お客様より、修理依頼。
モニターがまったく映らなくなったのでモニターを修理して欲しいとのことです。その前に、診断が必要です。

今回は、お客様の職場への訪問診断となりました。

さっそく、職場へ。そこで、拝見したのがDell Inspiron 14 7000シリーズ 7437でした。

とてもスタイリッシュな今流行りのノートPCです。モニターの厚みは5mmあるかないかです。

さっそく、電源を投入してもらいました。何も映りません。Dellのロゴも表示されません。ただ、ハードディスクのアクセスランプはピカピカ点滅しているので、OSは起動しているようにみられます。

お客様の状況説明によると、2,3ヶ月前から、モニターが突然真っ暗になったり、放って置くともとに戻ってきちんと表示されていたりを繰り返していたそうです。そして、数日前からは真っ暗なままになってしまったそうです。

よくあるのが、バックライト切れです。このモニターのバックライトはLED型式です。昔みたいに細い蛍光管が切れ、モニターの角度を適切に調節すると、外部の光のあたり具合によって、デスクトップが薄っすらと見えたりするのですが、LEDではそのようにはならないみたいです。真っ暗です。まさしく漆黒の闇です。インバーターも不要なので、スリム化できるのでしょう。

バックライトが蛍光管タイプなら交換(もしかするとインバーターの故障も考えられる)も可能でしょうが、LEDなので今回は無理っぽい感じです。そこで、モニター本体を丸ごと交換するか、中の液晶部のみを交換する方法を選びます。

その前に、あまりにも薄いのできちんと分解ができるか事前に確認が必要です。そこで、今回は、現場での診断は止めて、店に持ち帰って改めて診断をすることにしました。

1.Inspiron 14 7000シリーズのモニター分解

(1)吸盤でスクリーンベゼルを外す。

かなり慎重に作業を進めます。下から上にむかって外していきます。最上部には、カメラをつなぐ薄い基盤とフレキケーブルがあります。フレキケーブルは両面テープでスクリーンベゼルとくっついていました。(分解前に、ネットで下調べした結果、フレキケーブルの存在は確認済みでした。)

残念。スクリーンベゼル側のツメが1個折れてしまいました。固定には問題ありません。恐らくツメは十数個はありそうなので。ツメの大きさはとても小さく約3mm角でした。(お客様には、診断の前に、経年劣化による破損は保証しません。という免責事項の承諾を得ています。が、それでも残念でした。)

スクリーンベゼルは、上部のカメラ用のフレキケーブルと強力に接着されており、無理にはがすとフレキケーブルが破れる可能性があったので、今回は、完全に外さずにおきました。実際には、液晶のモニターを交換するスペースは十分に確保できるので、この状態でも問題はなさそうでした。

(2)モニターケーブルを外す

カメラ用のフレキケーブに注意しながらスクリーンベゼルを押上げて、液晶部とモニター背面ケースを固定しているネジを外します。

モニターが自由に動くようになったので、モニターケーブルを外そうと思って、よく見ると、すでにモニターケーブルは外れていました。

ちょっと不思議に思いました。コネクタ部分にはさまっているとばかり思ったのですが、いとも簡単に外れてしまっています。

もしかして、改めてモニターケーブルを液晶本体のコネクタ部分にはめて、電源を入れてみると、液晶がパッと明るくなりました。そしてDellのロゴが表示されました。そのまま放置していると、Windows8.1のログイン画面が表示されました。

モニターケーブルのコネクタ部分にハマるところはおそらく1mmあるかないかのレベルで、とても浅いようです。今回は、一応、「カチッ」とケーブルがコネクタ部分にハマった手応えを感じましたので、それで、電源を入れてみました。

モニターが映らなくなった原因は単純にモニターケーブルが外れていたからのようです。でも、なぜ?外れたのか。それはわかりません。ケーブルと液晶の接合部にはテープが背面から貼り付けられていました。そう簡単に外れそうではありませんでした。しかし、わざわざテープで固定されていたということは、外れやすいからということも考えられそうです。まぁ、なにかの拍子に接合部がゆるくなったのでしょう。

2.簡易修理

(1)接続部の補強

背面からテープで止めるだけではまた緩む可能性もあるので、上面からもテープで固定しました。セロテープを使い、さらに、緩衝材を貼り付けました。

このあと、ネジ止めし、スクリーンベゼルをはめて修理完了です。

3.動作確認

一晩様子を見ました。まず、LED本体が経年劣化で消えたりしないかを確認するために、電源を入れたまま放置しておきました。モニターは10分くらいで、電源が落ちるので、気がついたらEnterキーを押して復帰させ、を繰り返してモニターの明るさなど表示状態を確認しました。

また、開閉を繰り返してもケーブルの緩みが発生しないかを確認しました。

約2日間、預かって動作確認をしてみました。いたってふつうに表示されていましたので、修理完了ということでお客様に返却しました。