Canon PIXUS iX5000(2006年3月発売)のプリンタが、電源を入れると「カタカタカタ…」と異音がして、印刷に失敗します。というか、エラーが発生して印刷ができません

お客様のお話だと、購入して10年近くになるが、印刷頻度は多くなく、月に数回あるかないかというレベルだそうです。A3まで印刷できるのでともて重宝しているそうです。

そのプリンタが、昨日、突然、電源を入れると「カタカタカタカタ…」と異音がして、印刷できなくなりました。

さっそく、お持ちいただきました。
電源を入れると、言われたとおりに「カタカタカタカタ…」と異音が約10秒間ほど続いて、その音が止まるのですが、プリンタのヘッドが停止したままで、動く気配がありません。手でヘッド(インクカートリッジ含む)部分が簡単に抵抗なくスルスルと引き出せました。本来は、手でひっぱたくらいでは簡単に動かないはずですが。

異音がしている部分は、ちょうどプリンタヘッド部分が格納されているあたりです。

そこで、プリンタヘッド部分を引き出して、電源を入れてみました。「カタカタカタカタ…」と異音が続き、自然に音が止まります。紙詰まりを疑ってみましたが、お客様によると紙が詰まった記憶がないとのこと。見たところ紙くずなどはなくキレイにしていました。異音は、プリンタヘッドの格納部の壁の裏から聞こえます。本来は分解する必要がありそうですが、そうなると費用が増して、新品のプリンタがきそうな金額に近づきます。できるだけ、外科的処置は避けて、今見えている部分で対処したいものです。

まず、エアーダスターで格納部の隅ずみまで拭いてみます。電源を入れなおしてみます。変化ありません。

次に、よーく観察します。特にヘッド部が収まっているだろうと思われる部分をしっかりチェックします。すると「うすいムラサキ色の1cm正方形のプラスチック板」が敷いてありました。そこを、ドライバで軽く、奥へ押すと、「するっ」と壁の方へ格納されました。プラスチック板が下に降りたように見えました。つまり、このプラスチック板は通常の位置より少し上にあったようです。

電源を入れなおすと、プリンタヘッド部分が本来の格納部へ引き寄せられ何回か出たり入ったりして、正常動作をしているときの動きに戻りました。このとき、「カタカタカタカタ」という異音はまったくしませんでした。

あとは、セルフテストをしてみます。

A4の紙を1枚入れ、電源を入れ、リセットボタン(○の中に▽)を押したまま、電源ボタンの緑色のランプが2回点滅後、リセットボタンを離します。そのあとセルフテスト(おそらくヘッドクリーニング)が始まり、しばらく待つと、ヘッドのノズルチェックパターンが印刷されて出てきました。

念の為に、何回か電源を入れなおして、プリンタヘッドが正常に動作することを確認しました。

まぁ、10年選手ですから、これからも元気に活躍してもらいたいのですが、無理は禁物です。もし、また、「カタカタカタカタ」と異音がしたら同じように調整して使って見るようにアドバイスして修理完了となりました。